ジャカルタ空港購入ワイン/Wynns Connawarra/Shiraz/2017/レビューNo.85

赤ワイン

「飲んだ人の生の意見が聞きたい!」
「クナワラワインを飲んでみたい」
「ジャカルタ空港でワインを買いたい」

ジャカルタの空港にあるお土産屋で1時間くらいかけて決めたワイン。インドネシアワインを2本選びつつ、最後の1本はコスパが良くかつ日本で手に入らなさそうなワインにしてみました。

※調べるとヒットはするんですが売り切れ(おそらく継続して輸入しないと思われる)

気になるお味についてレビューしていきます。

ウィンズ・クナワラ・エステート/シラーズ/2017/ポイント

「エレガントでカシスとチョコレートが織りなすクナワラシラーズ」
値段 2400円(300000ルピア) | Tasting day : 2021/10/16
  1. 個人的な印象
    クナワラ独特のコクや力強さよりも、エレガントにまとまったシラーズ
  2. 特徴的香り/味わいは?
    ダークベリー(カシス、ブルーベリー、プラム)
    その他(メントール、スミレ、ペッパー、ダークチョコレート)
  3. どんな人にオススメ?
    フランスのシラーが好きな人に好まれそうなワインです。
旅ガラス
旅ガラス

ジャカルタ空港で購入。クナワラならカベルネ・ソーヴィニヨンが買いたかったんですがブレンドとシラーズのみ。日本でも黒ラベル扱ってそうなんですが全部売り切れ、輸入打ち切りの可能性があるので日本で手に入れるのは難しそうです。

ワイン情報(ラベル裏&ワイナリーHP)

【ラベル裏の記載】

Wynns Coonawarra Estate was founded by pioneer John Riddoch who planted vineyards in 1891, recognizing the potential of the rich, red Terra Rossa soil and long ripening season of Coonawarra`s cool southerly climate. The Estate`s famous triple-gabled winery was completed in 1896 and purchased by the Wynn family in 1951.

ワイナリーについてになります。

オーナーが変わって現在の「Wynns Estate」になりましたが、元々はクナワラワインの先駆け者が所有していた畑になります。なので、クナワラエリアで古木の葡萄畑を持っているワイナリーになります。

今回のワインはお手頃価格のシラーズなので幾つかの畑のブレンドになります。

Dark cherry and raspberry combine with floral and pepper aromas. The palate follows suit with appearing, gentle tannins and soft acidity. Attractive dark fruits, complexity and length are hallmarks of this medium-bodied cool climate Shiraz.

訳:ダークチェリーとラズベリーに華やかさや胡椒の香りが含まれる。口に含むと優しいタンニンの感触と柔らかい酸がマッチ。冷涼地帯のシラーズならではの魅惑的な黒果実に複雑性、のびやかな余韻の特徴を持っています。

「優しいタンニンと柔らかい酸」のシラーズは中々珍しいタイプ。そもそも滑らかなタンニンはあっても優しいと言える控えめな量のタンニンはシラーズで珍しいです。とても飲みやすいタイプでした。

【Wynn`s EstateのHP情報】

2020年度ヴィンテージの紹介を含めた、ベーシックシラーズの説明がありましたので紹介いたします。

Typically the Wynns Coonawarra Estate Shiraz has aromas of ground black pepper, berry and distinctive floral notes. Delicate oak is used to match and support the fine palate structure, without dominating its distinctive, cool-climate character. A mediumbodied wine with a lingering finish that will age gracefully in the tradition of the original Wynns Hermitage wine.

以下ざっくり訳したときのポイント

  • ブラックペッパーとベリー、際立った花の香り
  • 冷涼気候由来の繊細さを生かすために、樽の影響は控えめに抑えている
  • 創業の頃から変わらない、熟成による滑らかな余韻

まさにこの通りのワイン、個人的には内側ローストした樽の影響で淡くダークチョコレートの余韻出てると思うので、割合少な目でも新樽は使ってるのかなーと思ってます。

ちなみに2020年はAlc.14.4%ですが、2017年はAlc.13.4%。
そのため、2017年は他のヴィンテージ以上にあっさりエレガントな仕上がりになってます。

次回訪問する機会があれば質問してみたい所です。

旅ガラスのテイスティングレビュー詳細

色合い

濃いめのガーネット、液面の淵は明るめなオレンジ色。多少の熟成を感じます。
(ライトが暖色なのでやや黄色く見えてます)

写真左の液面の淵では文字が読めますが、写真右では中央の文字が読めません。

4年ヴィンテージなので、ちょうど若さの抜けてきた辺り、粘性は中庸な印象です。

 

香り

カシス、ブラックチェリーとスミレの香りもします。
ーくるくるグラスを回すー
ほんのり爽やかなブルーベリーとメントール、鼻を抜ける香りに混じるリコリス。

ちょっと元の香り思い出したくてボトルをくんくん。
カシスとスミレの香りに少しバニラの甘さを見つけて、とてもアロマティックです。

 

味わい

口に含むととても柔らかい、余韻がとても長く心地よさの続く落ち着いたラインでした。

口内にフワーっとベリーの香りがします。主体はブルーベリーとブラックチェリーでエレガント、そこにほんのりスミレや甘いスパイス広がります。タンニンは柔らかく、控えめにピリピリくるブラックペッパー、そして優しいほろ苦さのダークチョコレート。柔らかい割にとても長い余韻です。

やや土っぽいニュアンスやドライフルーツのようなニュアンスもあり、そこがなかなか面白い。

 

総括

クナワラらしさが程よく出た、上品なシラーズでした。

重たいパンチやクナワラらしい土っぽい深いコクを求める人には物足りないですが、エレガントな余韻が心地よいシラー好きにはグイグイ刺さる味です。

コスパも満足、十分オススメできる一本です。

おつまみ

☆試したおつまみ
すき焼きお弁当(6/10点)、チョコレート(5/10点)

相性良さそうで普通だった今回のワインペアリング。

一番美味しかったのは、すき焼きの味が染みた豆腐。

すき焼きの肉×ワインだとワインの繊細さも肉の旨味も失われてイマイチ。でも豆腐が間に入ると不思議とワインの繊細さが消えず、スミレやチェリーの香りが引き立ちます。とても不思議です。

副菜の天ぷらは冷たくベッチャリしてて美味しくないw

アツアツでカリっとしてたら可能性あったかもしれません。美味しい塩がついてて、そことの相性は良かったです。

期待していたチョコレート。ビター×ビターの方向性が似すぎていて普通でした。ピノノワールとかだとイチゴやラズベリーの酸味が際立ってチョコレートと合うのですが、シラーズだとそこまででした。

パッと頭に浮かんで試したくなったのはピザとハーブ入りソーセージ。
ピザは豆腐に通じる生地のプレーンな部分があるため。ハーブ入りソーセージはスミレの香りを引き立ててくれるのでは、と思いました。

それにブラックペッパーたっぷりのピリ辛トマトソースとも相性良さそうです。

まとめ

お手頃に楽しめるアッサリめのクナワラワインだと思います。今回飲んだのはかなりクナワラのなかでもアッサリシラーズ、とはいえ十分美味しくコスパも良いです。

地域性は△、好みは〇、コスパは◎、ワインのユニーク度は〇

クナワラらしさという意味だとやや控えめですが、それが逆に個性となってますし旅ガラスは好きなタイプです。なによりコスパが良かったです。

☆このワインと相性良さそうなおつまみ
マルゲリータピザ、レモングラス入りソーセージ、ピリ辛ボロネーゼなど
ワインで遊び、呑んで学ぶ♪
宅飲みワイン研究所長のテイスティングログ No.085

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