宮崎の都農ワイナリーに潜入してきました!日本ワイナリー訪問No.001

宮崎

(ランチに食べたチキン南蛮×キャンベル・アーリー ドライ、美味しかったです♪)

こんにちは、旅ガラスです。

宮崎県の都農ワイナリーに行ってきました!!
しかもオンラインイベントにアナログ参加してきました(笑)


(参加費払ってるとはいえ、アナログでタダ酒タダ飯甘える旅ガラス(笑)本当に感謝です)

都農ワイナリーって?面白い話が聞けた?ワイン何が美味しかった?

その辺りレポートして参ります。

なんで都農ワイナリー行ったの?


(飲みたいので「道の駅つの」から30分ほど歩くことに、丘の上にあるので大変キツイ)

一目惚れしたからです!

きっかけはソムリエ協会主催のイベント
日本ワインを6種類テイスティングしたんですが、そこでコスパ抜群のワインがこの都農ワイナリーでした。

古参ワイナリーがプレミアムワインを持ってくる中、都農ワイナリーは看板商品で1000円代(笑)
(イベントで出た銘柄は言っちゃいけないみたいなんで、察してください)

でもね、他ワイナリーの出す一本5000円のワインと比べても美味しかったんですよ。
宮崎でこれだけ品質の高いワイン造ってるんだなぁと驚きました。

旅ガラス
旅ガラス

うん、これは行くっきゃない!!

ってことで屋久島旅行のついでにワイナリー行ってきました(笑)

町おこしの一環で興ったワイナリー


(ワイナリーのロゴ、葡萄の樹?)

九州のお酒と言えば焼酎

そこに都農らしい何かの特産品を作ろう、そして酒税の税収を上げよう。
当初の目的はそんな感じだったみたいです。

今でこそ日本全国どこでもワイン造りにチャレンジしていますが、25年前は免許取得も難しく、また温暖な九州でワイン造りをしようとする人は少なかったと思います。

オンラインイベントでは町長の録画放送が流れましたが、ワイナリーオープン初日までは不安で仕方なかったみたいです。焼酎文化だし、地元に受け入れてもらえないんじゃないかと。

旅ガラス
旅ガラス

実際はオープン初日渋滞、初年度仕込んだワインは一カ月で完売の大盛況だったそうです。

ワインブームの波に乗ったとも言えますが、それから25年の継続には多大な努力が想像できます。

日本のワイン造りは台風との闘い


(看板、ここから遠かった…台風も沢山乗り越えてきたと思われます)

日本全国の農家全てが言うと思いますが、台風や大雨が来ると被害を受けます。

葡萄も一緒で台風が来るかどうかで収穫量や品質が変わります。具体的には

  • 果実が落下(収穫量減少)
  • 収穫前だと果実が水膨れで大粒になる(収穫量は増えるがワインの味が落ちる)
  • 雨が続くと病気になりやすくなる(収穫量減少)

などなどリスクだらけです。特に葡萄の収穫は9月-11月くらいなので台風シーズンなのです。

ワイナリーの方も言ってましたが、基本台風が来ない年は「当たり年」になるそうです。海外だと冷夏や降雨量、霜、雹などが言われますが、宮崎は台風が一番の問題みたいです。だいたい毎年来ますからね。

都農ワイナリーの台風対策


(ワイナリーからの眺望、とても綺麗です)

他のワイナリーと同様に方策は2点

  • 台風が来る前に収穫する
  • 台風が来る前に完熟する早熟な葡萄品種を増やす

まぁ自然には勝てない、台風は来るんだから仕方ない。なので被害が出る前に収穫しようという戦法です。

更に!宮崎の都農ワイナリーには他の県にはない強みがあります!

旅ガラス
旅ガラス

冬が短く春が早いので、8月頃から収穫が可能!2021年も8月上旬から収穫を始めて9月中旬には収穫を終えたみたいです!

葡萄の収穫時期は品種や環境に左右されますが、北半球では一般的に

  • 早熟:9月から収穫スタート
  • 晩熟:10月から収穫スタート

ちなみに宮崎の気候だけを見た場合

比較的温暖な気候、海沿いの反射も含めて日射量も多く、昼夜の寒暖差もそこそこあり。晩熟の葡萄品種が適しています。

実際は土壌の種類、水はけの良さや湿気、昼夜の温暖差が具体的にどれくらいかなどあるので厳密ではないですが、病気に強い晩熟の品種などは相性良いと思います

台風が来なければですが(笑)

以前は世界的に有名な晩熟品種、カベルネ・ソーヴィニョンも製造していたそうですが、10年で2回しかまともに収穫できなかったため違う品種に植え替えたそうです(笑)

現在は早熟のピノ・ノワールを生産、スパークリングの生産にも回しているようで今後に期待です。

都農ワイナリーのワイン3品種


(旅ガラスが購入したワイン&オンラインイベントアイテム)

ロゼ、白、赤と色毎の代表品種を紹介していきます

看板ワインはロゼ!キャンベル・アーリー


(ランチで楽しんだキャンベル・アーリー ドライ。個人的にはノーマルが好き)

一番人気はキャンベル・アーリー、アメリカで品種交配された生食用の葡萄です。基本ロゼワインにするみたいなので、都農ワイナリーの生産量一番はロゼワイン。

南フランスのプロヴァンス地方(カンヌ映画祭などで有名)などを除いて、かなり珍しいワイナリーになります。

ドライ/スパークリングなど幾つか種類あるみたいですが、個人的には通常タイプがオススメです。

白ワインは王道のシャルドネ


(ベーシックのシャルドネ#5を購入)

白ワインの柱としてはシャルドネ。実は日本一にもなったこともあるそうです。ありがたいことにイベントと重なったのもあって幾つか試飲させてもらいましたが、レベル高いです。

オンラインイベントで社長がフランスのブルゴーニョにも負けないと言ってましたが、的を射てるなぁと思いました。特にバックヴィンテージは強い、しっかり熟成してます。

チーズケーキやシフォンケーキのようなやさしく甘いケーキの香り。醸造長の赤尾さんは焼き栗って表現されてました。ヴィンテージ2016の同じ物だと思いますが違ってたらごめんなさい(笑)

勿論フレッシュな若いヴィンテージも美味しかったです。印象としては旨味や果実味が強みなワインが多く樽香は控えめ。アメリカとフランスの中間くらいの印象でした。

特にunfilterd chardonnay #6-Bは美味しかったです。#5買ったけど、飲んだ好みは#6-B。単純に注文ミスりました(笑)

白はシャルドネが生産量一番みたいですが、他品種もチャレンジしてるみたいです。特に最近新しく増やした品種が以下の2品種

ピノグリ(オレンジワインを作りたいのだとか)

アルバリーニョ(世界的に勢いのある国際品種)

他にもソーヴィニヨンブラン、甲州、サニールージュ、トレビアーノなど作ってます。

最も生産量の少ない赤はまさかのピノ・ノワール


(写真はテンプラニーリョ(笑)ピノ・ノワールと迷ってテンプラニーリョを購入)

元々はシラーやカベルネ・ソーヴィニョン、マスカット・ベーリーAが主軸だったみたいですが、かベルがあまりにも収穫できないので植え替えをしたとのこと。

シラーも台風前の収穫が難しいみたいで、ピノ・ノワールに植え替えるか検討してるみたいです。

ちなみに、ピノ・ノワールと言えば冷涼な産地で輝く品種。日本だと北海道や東北、北陸のイメージです。温暖な宮崎でよく生産できるなぁと驚いたものです。

スペイン系品種のテンプラニーリョも少量生産、割と早めに収穫できる品種なので宮崎の環境とも上手にマッチしてるみたいです。

訪問しての感想


(生産者の皆さんの席に混ぜてもらいました!ご馳走様です!)

自由にワイン造りにチャレンジしている印象を受けました。

普通は分からないんですが(笑)
今回オンラインセミナーに参加したり懇親会に混ぜてもらって直接お話できたり、普段のワイナリー訪問よりも情報量が多かったです。

そもそも高温多湿の環境でワイン造りしてる国ってほとんどないので、どこもかしこも手探りの試行錯誤してます。都農ワイナリーさんは25年経った今でもその意識が残っていて、だからなんでも試してみよう、挑戦してみよう、という気風を話していて感じました。

生食用葡萄のキャンベル・アーリーがこれだけ流行ったのも、チャレンジ精神の賜物だと思います。世界的に辛口ワインにシフトして行ってるなか、主力がやや甘口のワイン&ロゼっていうのが珍しい。それだけクオリティが高いです。

あとは野心的な若手醸造家が多い印象でした。
「○○でワインを作りたい」「地元に戻って一旗立てたい」
聞いていて面白かったです。

未来の醸造家がすくすく育つ場所、そんな感想を受けました。とはいえ上下関係はしっかりしてるかもですね(笑)

まとめ

「宮崎の酒と言えば焼酎とワイン」

と言われるの近いかもしれません。それだけのポテンシャルを感じました。

勢いもあり、2022年の収穫には冷凍庫を購入を予定してるとか。醸造チームが収穫量に対応できなくなっているので葡萄を保管するのと、疑似的なアイスワインにも挑戦したいと話してました。

宮崎には他にもワイナリーがあるので、ぜひぜひ今後も頑張って欲しいものです。
今回都農ワイナリーのみの訪問でしたが、次は時間作って色々周りたいと思います。

ではでは、皆さんも楽しいワイン生活を

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日本ワイナリー訪問数 1軒目

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