「この赤ワインは力強くフルボディでステーキと良く合います」
「さっぱりしたサラダにはライトボディの繊細な白ワインが良いです」
こんなソムリエさんの言葉や解説文を聞いたことはないでしょうか?
個人的に思う事・・・
別にフルボディとかライトボディとかいらなくね?
「この赤ワインは力強く濃厚でステーキと良く合います」
「さっぱりしたサラダにはアッサリで繊細な白ワインが良いです」
(フルボディ⇒濃厚、ライトボディ⇒アッサリに置き換えてみました)
ではなんで○○ボディって言葉を使うかっていうと、
- プロっぽい演出ができる
- 分かる人には便利な言葉
この二つです。素人がテキトーな事言うなって言われるかもしれませんがw
要するに、「解説できるとカッコいい」&「プロ同士の共通言語」です。
でも中身大したことないのでご安心を
酒屋やレストランでのワイン選びにも役に立つので、この機会に覚えましょう。
☆こんな人向けに書いてます☆
- 「フルボディワインが何?」って聞かれてうまく答えられなかった、恥ずかしいから教えて!
- ワインラベルの「○○ボディ」の意味が分からん。教えて!
まず結論!○○ボディは口当たりで変わる
「ボディ=ワインの口当たり」です。
Body is also sometimes described as ‘mouth-feel’.
訳:ボディは時々「口当たり」と表現されます。
(WSET Level2の教本より引用)
旅ガラスはこれが一番しっくりきます。ワインでいうボディには一般に3種類あるのですが
- ライトボディ:軽い、繊細、あっさり、軽快など
- ミディアムボディ:程よい、バランスが良いなど
- フルボディ:重たい、重厚、芳醇、濃厚、力強いなど
「口当たりが軽い=ライトボディ」というところでしょうか。まだまだ分かりにくいので色々な視点から見て、かみ砕いていきましょう。
粘性(アルコール度数と糖度)がボディを決める主要素
口当たりの増減の一つに「粘性」があります。
ワインの粘性に影響するのが「アルコール度数」と「糖度」です。
なぜならアルコール度数や糖度に比例して粘性も高くなるからです。同じような性質は脂肪分量でも見受けられます。
イメージしやすいように乳製品に例えましょう。
低脂肪牛乳はサラサラ、生クリームはトロトロ。アルコールと脂肪分は違うものですが粘性によって口当たりの軽重が変わります。
糖度はワインに含まれる糖の量、甘口ワインがトロっとしてるで分かりやすいかと。
辛口ワインの場合はアルコール度数がボディを決める大きな目安になります。
- ライトボディ:~12.5%
- ミディアムボディ:12.5~13.5%
- フルボディ:13.5%~
これだと結構分かりやすいでしょ。数字だし。
ちなみに、境目の12.5%と13.5%のワインはどうするの?って疑問を持った方。
自分で適当に判断しちゃいましょう。どうしても判断がつかない場合の裏技がありまして
- 12.5%:ライト-ミディアムボディ
- 13.5%:ミディアム-フルボディ
なるものを作るのもアリです。
海外のテイスティングペーパー見ると5段階評価してるのも見受けられます。
なので「どっちかわからない」って方は利用してみてください。
まとめるとこんなイメージです。
「フルボディってどういう意味?」と聞かれた時の答え方
上手に説明して知識をプレゼントしちゃいましょう。以下模範解答例です。
- 「口当たりが重たくて濃厚なワインってことだよ」で70点
シンプルな答えでこれはこれで良し。
- 「口当たりが重たくて濃厚なワインってことだよ。だからステーキとかシチューとか旨味や味の濃い料理に合うんだ」で100点
せっかくなら役に立つ情報もつけましょうバージョン。「肉は赤」からもう少し踏み込んだ情報ですね。
- 「口当たりが重たくて濃厚なワインってことだよ。だからステーキとかシチューとか旨味や味の濃い料理に合うんだ。
じゃあライトボディのワインってどんなワインでしょう?」で120点
最後に話題を提供するのは大事&興味付けなので最初は簡単な質問がベストです。
大抵「口当たりが軽いワインの事でしょ」「あっさりしたワインの事でしょ?」って答えてくれます。
- 「さすが○○さん!ちなみにワインはライトボディ、ミディアムボディ、フルボディと3つにざっくり分類して、ソムリエさんや輸入会社さんがラベルに記載してるんだ。ちなみにザックリ簡単に見極める方法知ってる?」これで150点
ここでアルコール度数で分けるとだいたい目安になるよ、という話をしてあげましょう。ね、実用的でしょ?
厳密なボディのお話
ココからは少し専門的なお話に移ります。専門的な話が苦手な人は流し読みでOK
粘性(アルコール度数)以外のボディを決める要素
「あれ、でもこのワインはアルコール13%だけどライトボディになってるよ」inレストラン
「あれーおかしいなぁ」(アホガラス適当なことブログに書きやがって!!)
というクレームが飛ばす前に一緒におさらいしましょう。
- ボディを決めるのは口当たり
- 口当たりに大きく影響するのは粘性(アルコール度数&糖度)
そう、粘性は口当たりを決める大きな要素ではありますが、全てではありません。
実は粘性以外にも口当たりに影響する色々な要素があります。
- タンニン(赤ワインを飲んだときのザラザラ感や渋みの量や質)
- 香りや味の種類(シンプルなほどライトボディ、複雑なほどフルボディと判断されます)
- 香りや味の強弱(繊細なほどライトボディ、濃厚なほどフルボディと判断されます)
こういったものが複合的に合わさり、かつレストランならソムリエの主観でライトボディ、ミディアムボディ、フルボディかが決まります。そう主観です。
なので正解はないし、お店によっても飲む人によっても違う!
が正解です。ここまで言えれば200点
アルコール度数は目安でしかない模範例
日本でお祭り騒ぎするボジョレーヌーボー
あそこで出回るワインは基本的にライトボディかミディアムボディです。
なぜか?タンニンがスッカスカだからです。
ラベルにはライトボディと書いてあるのに、アルコール度数が13%あったりします。
飲んだ事ある人は分かると思いますが、ボジョレーヌーボーって飲みやすさがウリ。タンニンが少なく、渋みはほとんど感じないですし、赤でも冷やして飲まれます。
なので「ライトボディ」「ミディアムボディ」に区分されるワインがほとんどです。
アルコール度数はそこそこあるので飲みすぎ注意ですけどねw
「だから赤ワイン普段飲まない人にもオススメしやすいんですよー」と言えると素敵です。
<余談>日本ソムリエ協会教本の定義
すっごくわかりにくく書かれています。しかもなぜか二つに分けて。
甘味、酸味、アルコール、渋みのバランスを体型で表す。「スリム」、「がっしりした」、「グラマー」など
ワインの重み、コクの大小。軽快/スリム/ミディアム/ふくよかな/フル/重厚な
甘味、酸味、アルコール、渋みのバランスを体型で表す
最も一般的なものだと、飲んだ印象が「男性的なワイン」「女性的なワイン」などなど。
・女性的なワイン:スリムな、グラマーな、セクシーな
まとめ 最終的にボディを決めるのはあなたの主観!
ワインにおけるボディというやつは、かなりフヨフヨして曖昧な表現です。
「ボディ=口当たりの重さ」はシンプルで分かりやすいです。
ただしどうしても人それぞれ舌の性能も経験も感じ方も違うので、ワイン初心者がとっつきにくいポイントになります。
一つの指標として「アルコール度数」で分けるというのも悪くない考え方だと思ってます。ざっくり感覚が掴めますし、なにより自分の味覚を客観的に見る練習になります。
ぜひ今日も一つワインの知識を身に着けて、皆さんもワインを楽しみつつ日常のコミュニケーションに生かしてくださいな。
元ワイナリースタッフがお届けするワイン雑学 No.003
コメント